「60年もの歩みを続けてきた米子青年会議所は、我々が住む地域の明るい豊かな社会の実現のために至誠を誓った14名の誇り高き若者によって創(はじ)まった。」多くの諸先輩方によってこの思いは繋がれ、そこから生み出された知恵と工夫に絶対の自信を持って命題と向き合うことで、この地域に多大なる影響力を与えてきました。時代は変われど我々の目指すべきことは変わらず、この地域の誉れ高い資源を活かし、果敢に挑み、地域の未来を主動しなければなりません。
新たな運動指針を推進する一年目。どの方向に動き出すべきか、我々はスタートラインに立つため、現状を見つめなければなりません。中国地区有数のLOMを誇っていた米子青年会議所は、会員数の減少と同時に思いを伝承していく機会が減り、効率化を求める時代背景と相まってその時々の経過を知らぬまま、活動の一部が形骸化していることは否めません。また地域に与える影響力も小さくなり、先駆けの団体である米子青年会議所としての矜持が失われつつあります。
そんな状況下、我々がしなければならないことは、継続してきたものを止めてしまうことでもなく、ただ形式的に続けることでもありません。すべきことは、そもそもの意義や目的、可能性を深く考えたうえで行動をしていくことなのです。例え結果として同じことをすることになったとしても、多くの発見、学びがそこにはあり、また、熟考した結果が、過去と異なるものになればそれは進化となります。60周年という節目の年だからこそ、原点に立ち返り、消えかけた過去と現在を結び、未来を描かなければなりません。
本年は、カトマンズJC、釜山東莱JCとの国際交流、ボーイスカウト育成支援、米子がいな祭への支援をはじめとした継続事業の他に、60周年に関する事業や青経連の幹事団体等様々な事業を展開します。会員減少が年々進み、会員一人ひとりの担いが多くなり、例年よりも濃い一年になるかもしれません。しかし、それを乗り越えたときの成長は計り知れないものがあり、これからの人生においてかけがえのない貴重な経験となります。今まで以上に現役会員同志、シニア会、地域との繋がりを強く持ち、人としてまた組織としてのさらなる進化を目指します。
また一方で、この地域は道路交通網の整備が進み、国際便の就航やクルーズ客船の寄港が増加するなど山陰の玄関口として国内外からのアクセスが容易になりつつあります。そこに豊かな自然や文化、住みやすい環境といった地域の魅力を活かし、未来を見据えた魅力あるまちづくりを想像、実践することで経済の相乗効果が生みだされます。そして次世代を担う子どもたちが夢や希望を持ち、豊かな心で成長できる生活環境こそが子どもたちの良心を育みます。無限の可能性を秘めた先駆けの団体である米子青年会議所だからこそ、これらを実現しなければなりません。
最後に、我々が活動できているのは、家族、会社、地域の理解はもちろん、60年間その場所を守ってきた多くの諸先輩方であることは紛れもない事実であります。最大限の敬意と感謝の意を表し、その次の世代へと引き継いでいかなければなりません。そのためには、会員拡大を継続することが必要不可欠となります。米子青年会議所会員全員の課題として取り組んでいかなければなりません。
私自身を含め、会員一人ひとりが米子青年会議所会員であることの責任と覚悟を持って、そして自信と自負を持って周りの会員を巻き込みましょう。人が成長し、人に影響力を発揮することで、地域から共感が生まれ、必要とされる団体となります。それが、共に活動をしたいと思う仲間を生み、その仲間が成長する、このサイクルを循環させることが、米子青年会議所のさらなる発展となります。人と組織のポジティブチェンジが、地域の明るい豊かな社会の実現へとつながります。